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告白選手権

  • 執筆者の写真: 昌俊 和田
    昌俊 和田
  • 3月31日
  • 読了時間: 20分

更新日:4月14日

告白選手権


作・和田昌俊


劇団ぎょう座プレゼンツ恋愛リアリティ番組


和田

身の回りのものがよくなくなる。ハゲ


審査員(告白され女子)

恋愛スペシャリストの方々

告白される女性を演じる

演じた後は審査をする


挑戦者

優勝賞品餃子一年分に釣られて参加してしまった方々

アドリブで告白を披露する

なぜか優勝した場合には餃子一年分ではなく、スペシャル賞品を選んでしまう人が多い

ADも兼任している


司会者

明るく爽やかなベテラン司会者。なぜか和田には冷たい。スペシャル賞品を用意している


【オープニング】

司会者(爽やかに)「さあ始まりました!劇団ぎょう座プレゼンツ!恋愛リアリティ番組── 告白選手権!👏

(BGMが華やかに流れ、挑戦者と審査員が並ぶ)

司会者(続けて)「今回は記念すべき第1回戦!優勝者には餃子一年分か、もしくはスペシャルプレゼントが贈られます制限時間は3分!告白後は審査員が採点します!ではまず、審査員をご紹介しましょう!」


【審査員紹介】

(審査員がワンショットで登場)

審査員1「告白は勢いが大事だと思います!情熱に期待してます!」

審査員2「ロマンチックな演出があると高得点かも?」

審査員3「純粋にキュンとさせてください!」


【挑戦者紹介】

(挑戦者がワンショットで順番に登場)

挑戦者A「全力で愛を伝えます!」

挑戦者B「優勝して餃子一年分をゲットします!」

和田

「ずっと彼女がいないので、今日はがんば」

和田の喋っている途中でカメラが切れる


【順番決め】

司会者「それでは、まず告白する相手を決めます!

各自風船を持っていただき、膨らませたあと椅子で割っていただきます。1番早かった人から順番に告白する相手を決められます」

和田「あ、あのー、なんかぼくだけ風船でっかいんですけど」

司会者「それでは準備お願いします」

和田「おい、不公平だろ」

ある程度膨らませたところで風船が口から飛んでいってしまい、また最初から膨らませる和田

最下位になる和田


【第1回 告白選手権】

(挑戦者Aのシーン)

司会者「それでは、挑戦者Aさん、意気込みをどうぞ!」

挑戦者A「がんばります!」

カメラマン「お相手の女性は誰を選ばれましたか?」

挑戦者A「この人です!」(選んだ相手と2ショット)「それでは準備お願いします!」

司会者「制限時間は3分です!用意、スタート!」


(告白シーン)

挑戦者A(女性と夜空を見上げながら)「あっ、流れ星!」

告白され女子「えっ?どこどこ?」

挑戦者A「何をお願いしたの?」

告白され女子「ナイショ!◯◯くんは?」

挑戦者A(真剣な表情で)「おれはもう願い事叶ってるから」

告白され女子「ええ?なにそれ?」

挑戦者A「オマエと流れ星を一緒に見たいって願ってたんだよ」

(照れて笑う女性)

挑戦者A(少し間を置いて)「ゴメン、嘘ついた」

告白され女子「えっ?」

挑戦者A「本当はオマエと付き合いたいってお願いしたんだ」

告白され女子「……流れ星じゃなくて、直接お願いすれば叶うかもよ?」

挑戦者A「好きだ」

告白され女子「わたしも

(見つめ合う二人、キスしそうな雰囲気でカット)


【採点シーン】

司会者「はい、ありがとうございました!それでは点数をお願いします!」

 挑戦者はホワイトボードの側に立つ

 一人ずつホワイトボードに点数を書いていく審査員たち

審査員1(ホワイトボードに8/10と書いて)「情熱が伝わりました!素敵でした!」

審査員2(7/10)「ちょっとストレートすぎたかも?でも良かったです!」

審査員3(9/10)「キュンキュンしました!」


【告白選手権 挑戦者B】

司会者「それでは、挑戦者Bさん、意気込みをどうぞ!」

挑戦者B「がんばります!」

カメラマン「お相手の女性は誰を選ばれましたか?」

挑戦者B「この人です!」(選んだ相手と2ショット)「それでは準備お願いします!」

司会者「制限時間は3分です!用意、スタート!」


【告白シーン挑戦者B】アドリブでOK

(緊張した空気が漂う)(挑戦者Bは少し息を吐いてから、告白され女子を見つめる)


告白開始

(挑戦者Bは視線を落としながら、少しぎこちなく話し始める)

挑戦者B(ふっと笑いながら)「なんかさ」(少し息をついて)「こんなふうに、あらためて面と向かうの変だな」

告白され女子(軽く微笑んで)「うん」

挑戦者B(わずかに目を伏せて)「たぶん、おれ」(少し間を置く)「お前とこんな場所で向き合うなんて、思ってなかった」

告白され女子(少し驚いたように挑戦者Bを見つめる)「……え?」

(挑戦者Bは少し口を噛みしめてから、ゆっくりと目を上げる)(告白され女子の目を真っ直ぐに見つめる)

挑戦者B(少し声が震えながら)「あの日さ」(ふっと、わずかに笑う)「傘がなくて、二人で雨に濡れて帰ったじゃん」

(告白され女子は一瞬、驚いたような表情になるが、すぐに目を伏せる)

挑戦者B(少し遠くを見るように)「覚えてるよ」

挑戦者B(ふっと微笑む)「おれあの日、雨が降ってくれてホッとしてた」

告白され女子(不思議そうに)「なんで?」

挑戦者B(少し視線を落としながら)「だって」(静かに目を上げて)「雨が降らなかったらおれ、お前に触れられなかったから」

(告白され女子は一瞬、言葉を失い、わずかに目を伏せる)(ふたりの間に微かな沈黙)

(雨音が遠くで聞こえるような静けさ)(挑戦者Bは静かに告白され女子を見つめ続ける)

挑戦者B(少し低い声で)「おれ、あの日」(視線を落とし、少し笑う)「お前の手を握ろうとしてでも、できなかったんだ」

告白され女子(ゆっくりと顔を上げる)「……どうして?」

挑戦者B(かすかに微笑む)「お前に嫌われたくなかったから」(ふっと真剣な表情で)「でも、今日だけは逃げたくない」

(告白され女子はわずかに目を伏せ、少し考えるような間を置く)(静かな雨音)

告白され女子(ゆっくりと視線を上げて)「逃げてないよ」

(ふたりの視線が重なる)(少しずつ距離が近づいていくが、触れ合わないまま静かに見つめ合う)(挑戦者Bは告白され女子の頬に手を伸ばしかけるが寸前で止める)

挑戦者B(かすかに声を震わせて)「好きだよ」

(告白され女子はわずかに瞳を揺らすが、答えない)(ふたりの間には、触れそうで触れない微妙な距離が残る)(そのまま見つめ合いながら、カメラが徐々に引いていく)



【採点シーン2】以下はアドリブです

司会者「はい、ありがとうございました!それでは点数をお願いします!」

 挑戦者はホワイトボードの側に立つ

 一人ずつホワイトボードに点数を書いていく審査員たち

審査員1(ホワイトボードに8/10と書いて)「情熱が伝わりました!素敵でした!」

審査員2(7/10)「ちょっとストレートすぎたかも?でも良かったです!」

審査員3(9/10)「キュンキュンしました!」


【告白選手権 挑戦者C】


司会者「それでは、挑戦者Cさん、意気込みをどうぞ!」

挑戦者C「がんばります!」

カメラマン「お相手の女性は誰を選ばれましたか?」

挑戦者C「この人です!」(選んだ相手と2ショット)「それでは準備お願いします!」

司会者「制限時間は3分です!用意、スタート!」


【告白シーン挑戦者C】

アドリブでOK


【採点シーン挑戦者C】


【CM】

司会者「はい、ここで一旦CMです」

 カメラがパンして和田を写す

AD「CM入りまーす」

和田「劇団ぎょう座では一緒に活動してくれる仲間を募集しています。ぼくと一緒に楽しく映像作品を作りましょう」

 和田が喋っている後ろでくつろぐ挑戦者とスタッフたち、まるで緊張感がない様子

 出演者の一人がカメラにぶつかり、画角が傾くがだれもなおさない

和田「DMまたはメールでご連絡をお待ちしております。概要欄に連絡先がありますので、ご興味のある方は・・・」

AD「はい、CMあけまーす」

 和田が喋っている途中でカメラがパンして強制終了するCM


【告白選手権 挑戦者D】


司会者「それでは、挑戦者Dさん、意気込みをどうぞ!」

挑戦者D「がんばります!」

カメラマン「お相手の女性は誰を選ばれましたか?」

挑戦者D「この人です!」(選んだ相手と2ショット)「それでは準備お願いします!」

司会者「制限時間は3分です!用意、スタート!」


【告白シーン挑戦者D】

アドリブでOK


【採点シーン挑戦者D】


【告白選手権 挑戦者E】

司会者「それでは、挑戦者Eさん、意気込みをどうぞ!」

挑戦者E「がんばります!」

カメラマン「お相手の女性は誰を選ばれましたか?」

挑戦者E「この人です!」(選んだ相手と2ショット)「それでは準備お願いします!」

司会者「制限時間は3分です!用意、スタート!」


【告白シーン挑戦者E】

アドリブでOK


【採点シーン挑戦者E】


【和田の相手はいない】

 あまる和田

和田「あれ?ぼくは?」

司会者「いないです」

和田「えっ?告白するチャンスすらないの?」

司会者「はい。実際の恋愛ではすべて早い者勝ちですので。統計上男性の方が人口多いので、必然的にあまりますね」

和田「ええ〜」

司会者「どなたか和田に告白されてもいいよって方はいらっしゃいますか?」

 静まり返る会場

司会者「誰もいらっしゃらないようですね」

和田「ちょっと待ってよ。一万円、一万円で」

司会者「おおっと和田は苦し紛れに金の力に頼ろうとしてます」

 どうする?とザワザワする告白され女子達

和田「お願いします。お金を払うので告白するチャンスをください」

 仕方ないなあ、という感じでジャンケンをしだす告白され女子達

告白され女子A「ああ、負けちゃった」

 すごく悔しがる告白され女子

 みんなから「がんばって」や「お仕事だと思って割り切って」などと励まされながらしぶしぶ和田のところへ向かう


【和田の告白】

司会者「続いては和田さんです!お相手はこの方です」

やる気のない女性

「どーも」

和田「よろしくお願いします」

司会者「意気込みをどうぞ!」

和田(意気込みを聞かれて)「今日は告白するってことで、このあと大人の関係になるかもしれないと思ってちゃんとゴムの練習してきました!」

(ポケットから風船を取り出す和田)

司会者(困惑)「えっ?それただの風船ですよね?」

和田(自信満々)「はい!サイズがちょうどいい感じなんですよ!いっぱい持ってきました!安心してください!」

(和田が女性に視線を送るが、女性は露骨に嫌な顔)女性(小声で)「ちいさ

和田「えっ?今なんか言った?」

司会者

「それでは準備お願いします!」

司会者「制限時間は3分です!用意、スタート!」


和田「二人っきりですね!」

告白され女子「そうですね」(スマホをいじりながら無表情)

和田「寒いね?」

告白され女子「そうですね」

和田「いっぱい遊んで疲れたね?」

告白され女子「そうですね」

和田(焦りながら)「いま彼氏いないって言ってたじゃん?」

告白され女子「そうですね」

和田「おれも今、彼女いないんだ

告白され女子「そうですね」

和田「もしよかったらおれと付き合

告白され女子(即答で)「無理です」

和田「えっ?まだ何も言ってないじゃん?」

告白され女子「そうですね」

和田(小声で)「あっ、流れ星

告白され女子(冷めた声で)「見えるわけねえだろ。ここ屋内だぞ」


【採点シーン和田】

司会者「はい、ありがとうございました!それでは点数をお願いします!」

 挑戦者はホワイトボードの側に立つ

 一人ずつホワイトボードに点数を書いていく審査員たち

審査員1(ホワイトボードに1/10と書いて)「ギリギリ一点ですかね・・・」

和田「なんでおれだけそんな点数低いの?」

審査員1「やっぱり顔が・・・」

和田「顔?!顔って告白に関係あるの?!」

審査員1「あと髪の毛が・・・」

審査員2(2/10)「ちょっと気持ち悪かったかな?でもあきらめずに告白できててえらいです!」

和田「いや、さっきの人もそうだったけどさ、なんでおれだけこんな点数低いの?」

審査員2「やっぱり髪の毛ですかね・・・」

和田「またかよ」

審査員3(0/10)「キュンキュンしました!」

和田「嘘つけ、0点じゃねーか」

審査員3「髪の毛がねえ」

和田「もういいよ」

審査員3「あと顔も」

和田「だからもういいって」

 他の審査員とわかるわかるーと共感する審査員


【緊急企画?!男女逆転告白】

司会者「ぶっちぎりの最下位ですね」

和田「ぶっちぎりの最下位ってなんだよ、もっとストレートに最低って言えばいいだろ」

司会者「少しでもやわらかく言ってあげようかなって」

和田「なんでいつもおればっかり不公平なんだ」

 和田が落ち込んでいる

 司会者に耳打ちしている告白され女子

司会者「はい、はい、わかりました。最下位で最低のクズ男の和田さんがあまりにもかわいそうなので、お手本を見せてくれるようです」

和田「お手本?」

司会者「和田さんが告白される側として男女逆転告白をしていただきます」

和田「えっほんとに?」

司会者「よかったですね、和田さん」

和田「で、だれがぼくに告白してくれるんですか?」

 静まり返る会場

司会者「だれもいませんね」

和田「おい、どういうことだよ期待させやがって」

 話し合う告白され女子たち

司会者「誰もいらっしゃらないようですね」

和田「ちょっと待ってよ。一万円、一万円で」

司会者「おおっと和田は苦し紛れに金の力に頼ろうとしてます」

和田「一万円でお願いします」

 一万円札の入った封筒を差し出す和田

司会者「どこかで見たような光景だ」(※劇団ぎょう座第一作『はじめての待ち合わせ』オマージュシーン)

 どうする?とザワザワする告白され女子達

和田「お願いします。お金を払うのでぼくに告白してください」

 仕方ないなあ、という感じでジャンケンをしだす告白され女子達

告白され女子「ああ、負けちゃった」

 すごく悔しがる告白され女子

 みんなから「がんばって」や「お仕事だと思って割り切って」などと励まされながらしぶしぶ和田のところへ向かう


【和田、お金の力でモテようとするも全滅】


■ 挑戦者A(ピュア風・実は割り切り)

挑戦者A(最初はぎこちなく)「あの……今日は、えっと……なんて言えばいいんだろ……」(小声で)「……一万円もらったし……やるしかないか……」

(切り替えて、明るく演じ始める)「和田さん!実は、ずっと前から……その、気になってました!」「いや、最初は…正直、“この人ないわ~”って思ってましたけど……だんだん……」(目が泳ぐ)「……なんかこう、親しみというか、存在感というか……そういうのがこう……うん、出てきて……」

(少し困り顔で)「この前、お花見に撮影でジャージ姿で来てたの見て、“あ、無理しないタイプの人なんだ”って、ちょっとホッとしたというか……」「あと、打ち上げで焼き鳥を注文したら、自分の分だけ先に食べようとしてたの、見てました」

(ムリヤリ微笑んで)「でも、そんな和田さんが、私は……嫌いじゃない、かも、です」

和田(うれしそうに)「えっ……じゃあ、好きってこと……?」

挑戦者A(急に真顔)「ううん、違うよ。嫌いじゃない、だけで、好きとは言ってない」「あと……お金もらってるけど、演技力には限界あるし、嘘をついて気持ちを弄ぶのって良くないからやっぱりここで返しますね。」

(丁寧に一万円を出して返す)

挑戦者女子A「ありがとう、勉強になりました」和田「うそでしょ…」


■ 挑戦者女子B(ツンデレ風・でもドライ)

挑戦者女子B(不機嫌そうに登場)「……ちょっとさ、これ言っといていい?なんで私が、こんなヤツに告白しなきゃいけないのよ……」

(和田の目を見て、小声で)「……一万もらったの、忘れてないよ」

(ため息、気持ちを切り替えて)「えーっと……和田さん、私、あなたのこと……そんなに嫌いじゃないと思います」「だって、声がちょっと落ち着いてるし、リアクションが昭和っぽくて、逆に安心感あるし……」「あと、メンタルだけは異様に強いよね。いつでも楽しそうだし、たぶん落ち込むって感情をなくした人なんだと思う」

(一瞬、照れるフリ)「だから……そういうところも含めて……私、もしかしたら……いや、やっぱ言わなくていいや」

和田「いや、言って言って!」

挑戦者女子B「……わかった、言うよ。……ちょっとだけ、好き……かも、しれない……っていう体でやってるだけだから」「ていうか私、今月やばくてさ……一万円助かった〜。でも、もう大丈夫。返すね」

(ポケットからくしゃっとなった一万円を出す)

和田「ぐちゃぐちゃやん……」

挑戦者女子B「マジで一瞬、“あれ?情が湧いた?”って思ったけど……たぶん気のせい。じゃ、よろしくー」(立ち去る)


■ 挑戦者女子C(情熱的 → 急冷型)

挑戦者女子C(めっちゃテンション高く)「和田さん!和田さん!!もう、言いたくて仕方なかったの!」「あなたのこと!あなたの、髪のないツルツル頭と、センスゼロのファッションと、たまに出る妙に詩的なセリフが大好きです!!」

和田「うおおお!それ全部ディスりじゃん!でもうれしい!!」

挑戦者女子C(近づいて熱く語る)「誰もが笑うようなところに、私は惹かれてしまったの!誰も選ばないものに、価値を見出すって、すごくない!?自分、意識高くない!?」

(一瞬の沈黙)

挑戦者女子C(息を整えて)「……で、まあ、本音を言うとね。あんまり気が進まなかったの。でも、和田さんが“お願い!お金払うから!”って、土下座してきて……」

和田「土下座はしてないけどね、うん」

挑戦者女子C「“あ、ここまで必死ならちょっと手伝ってやるか”って思ってさ」

(お金を返しながら)「で、思ったの。必死って、尊いけど……恋にはならないんだなって」

(目を合わせて)「私、演じながら本当に“ありかも”って思いかけたの。でもそれ、一万円ぶんの感情だった」

和田「いちまんえんぶん…?」

挑戦者女子C「そう。で、今返したから、感情もゼロに戻りました!」

(笑顔で立ち去る)「またねー!でも次回は値上げするからよろしくー!」


【エンディング:司会者のトドメ】

(挑戦者である女子が立ち去り、和田はひとりポツンと残る)

和田(うつむきながら)和田「……オレ、人生で初めてモテるって思った……」

 悲しそうな和田和田「今日から変われるって……信じてたんだけどなぁ……なんでみんな…返してくるの、一万円……」

(しばらく沈黙)

和田(ふらつきながらステージ中央へ)「……でも、まだ……司会者さんだけは、おれの味方だよね……?」

(司会者、ゆっくりと和田に歩み寄ってくる)

司会者(静かな声で)「……和田さん」

和田「な、なに…?」

司会者(にっこり微笑んで)「あなた、今日……かけがえのない経験をしたと思います。」

和田(少し涙目)「う、うん……」

司会者(声を低く、鋭く)「“金で愛は買えない”ってことを」

和田「うっ……」

司会者(畳みかける)「告白されたと思ったらフラれて、お金も返されて、メンタルも崩壊寸前。これが“人としての底”ですよね?」

和田「ちょ、ちょっと待って!?せめて励ましてよ!?人生って何!?」

司会者(追い打ち)「人生って……あなたみたいな人のためにある“苦行”だと思ってます。」

和田「そんな番組あります!?」

司会者(スタジオに向かって)「ということで!“男ひとり、金で心を買おうとしたらどうなるか?”はこれにて終了です!」

(全員:パチパチパチ…)

司会者「次回、“和田、バイトの面接に落ちる”をお楽しみに!」

和田「続くの!?この地獄シリーズ続くの!?あれ?!告白選手権じゃなかったの?これただの地獄じゃん」


【結果発表】

司会者「優勝は挑戦者Aさんです!🎉

「最下位は・・・和田さんです」

司会者「優勝者の◯◯さんには商品として餃子一年分または◯◯さんの飲みかけのペットボトルが選べます」

 迷ったフリをする優勝者

優勝者「うーん、迷うけど飲みかけのペットボトルで」

 恥ずかしそうにペットボトルを渡す告白され女子

優勝者「ありがとうございます」

 カメラに向かって喜びながらペットボトルの水を飲む優勝者

優勝者「いやあ美味しいですね。なんか甘い気がします」

男B「あれ、ちょっとその蓋見せてもらえます?」

 ペットボトルの蓋をカメラがアップする

男B「これ、和田って書いてありますけど」

和田「あっ、それおれのペットボトルだ。探してたんだよ」

 むせる優勝者

優勝者「ゴホゴホ、飲んじゃったよ」

司会者「はい、それでは続きまして最下位の和田さんに罰ゲームをしていただきます」


【罰ゲーム】

司会者「和田さんには罰ゲーム!女性全員とジャンケンをして、負けた場合はビンタ!」

和田「ええ〜なにそれ?!」

(次々と負け続けてビンタされる和田)

最後だけ勝つが…ビンタされる)和田「えっ?おれ勝ったよね?!」

女性A(とぼけた顔で)「あっ、ごめん、間違えちゃった


【エンディング】

司会者「和田さん、最下位でも諦めずに次回も挑戦してくださいね!」

和田(ボロボロの顔で)「やってられるか!」

(エンドロールと共に爆笑の観客)


【エピローグ】


和田「なんで俺ばっかり、不公平だろ」

告白され女子A「和田さん、人生は不公平なものです」

 進み出てくる

告白され女子A「それでも自分の気持ちを伝えるって大事なことだと思います」

和田「そ、そうですね」

告白され女子A「自分がハゲててモテないってわかってても諦めずに努力する和田さんの姿をいつも見てました」

和田「えっ、ほんとに?」

告白され女子A「ハゲててキモくて年齢がピー歳でも、和田さんを好きな人はきっといるはずです」

和田「◯◯さん」

告白され女子A「和田さん」

和田「◯◯さん、もしよかったら撮影終わりにこのあと一緒に」

告白され女子A「無理です」

和田「えっ?」

告白され女子A「わたし、もう彼の告白受けちゃったんで」

 挑戦者Aと並んで出て行く告白され女子A

告白され女子B「早く告白しなきゃ他の人に取られちゃいますよ」

 挑戦者Bと並んで出て行く告白され女子B

 ぼうぜんと立っている和田は告白され女子Cを見る

司会者「じゃあ、ぼくらも行こうか」

告白され女子C「うん」

和田「えっ?」

告白され女子C「さっき告白されたの」

司会者「おつかれさまです」

 立ち尽くす和田

和田「・・・これおれの企画なのに」


[エンドクレジット]

お金で愛は買える?

  • はい / いいえ


    それぞれがホワイトボードに線を引いて投票していく

 最後に全員集合してカーテンコール風のお別れ



40%の日本人は告白をした経験がない

恋愛に対するハードルが上がり

少子化は加速している



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ご連絡はHPのお問い合わせまたは「劇団ぎょう座」のメールまでどうぞ

劇団ぎょう座 HP

劇団ぎょう座 メール


告白選手権カット割&スケジュール表
告白選手権カット割&スケジュール表

✅ カット割表:告白選手権【劇団ぎょう座】


🎬 カット割り

【オープニング】

📍カット1:司会者の登場

  • ショット:中寄り(司会者の腰上~頭)

  • 動き:ジンバルでゆっくり横から移動しながら司会者を捉える

  • 背景工夫:壁際や窓際で奥行きを出す

  • セリフ範囲:司会者「さあ始まりました!劇団ぎょう座プレゼンツ!恋愛リアリティ番組── 告白選手権!👏」

📍カット2:挑戦者&審査員の並び

  • ショット:広めの引き(全員が映る)

  • 動き:固定

  • 背景工夫:壁際に斜めに配置して奥行きをつける

  • セリフ範囲:司会者「今回は記念すべき第1回戦!優勝者には餃子一年分か、もしくはスペシャルプレゼントが贈られます」

  • 長回し開始(審査員紹介まで続ける)

【審査員紹介】※長回しで効率化

📍カット3:審査員紹介

  • ショット:中寄り(審査員3名が順に映るようにパン)

  • 動き:ジンバルでなめらかに横移動しながら紹介

  • 背景工夫:審査員の背後に椅子や小道具を配置してアクセント

  • セリフ範囲

    • 審査員1「告白は勢いが大事だと思います!情熱に期待してます!」

    • 審査員2「ロマンチックな演出があると高得点かも?」

    • 審査員3「純粋にキュンとさせてください!」

【挑戦者紹介】※長回しで効率化

📍カット4:挑戦者紹介

  • ショット:広めの引き(挑戦者が順に前へ出る)

  • 動き:固定

  • 背景工夫:奥行きを意識した立ち位置(前に出る挑戦者にピンが合うように)

  • セリフ範囲

    • 挑戦者A「全力で愛を伝えます!」

    • 挑戦者B「優勝して餃子一年分をゲットします!」

    • 和田「ずっと彼女がいないので、今日はがんば」

  • 演出:和田が途中でカメラアウトし、カット

【順番決め】※長回し

📍カット5:風船割りシーン

  • ショット:広めの引き(全員が映る)

  • 動き:固定

  • 背景工夫:床や壁にテープで区切り線を貼り、構図に変化

  • セリフ範囲

    • 司会者「それでは、まず告白する相手を決めます!」

    • 和田「おい、不公平だろ!」

    • 和田が最下位になるまで続ける

【告白選手権・挑戦者A】

📍カット6:司会者の呼び込み

  • ショット:司会者の腰上

  • 動き:固定

  • 背景工夫:壁際にポスターや小道具を配置

  • セリフ範囲:司会者「それでは、挑戦者Aさん、意気込みをどうぞ!」

📍カット7:挑戦者Aの告白シーン

  • ショット:中寄り(挑戦者と女性の2ショット)

  • 動き:ジンバルで横移動しながら距離を詰める

  • 背景工夫:壁から少し離れて立たせて奥行きを出す

  • セリフ範囲

    • 「あっ、流れ星!」~「好きだ」

📍カット8:採点シーン

  • ショット:審査員の中寄り

  • 動き:固定

  • 背景工夫:審査員の背後に小道具配置

  • セリフ範囲:採点コメント

【CM】※長回し

📍カット9:CM収録

  • ショット:和田を中心に広めの引き

  • 動き:固定

  • 背景工夫:わざと散らかった会議室の様子を映す

  • セリフ範囲:和田の告知部分

【告白選手権・挑戦者B】※長回しで告白~採点まで

📍カット10:挑戦者Bの告白~採点

  • ショット:中寄りの2ショット

  • 動き:ジンバルでなめらかに移動

  • 背景工夫:壁から少し離れて距離感を演出

  • セリフ範囲

    • 告白シーン~審査員の採点コメントまで長回し

【和田の告白】

📍カット11:和田と女性の掛け合い

  • ショット:広めの引き

  • 動き:ジンバルで緩やかに移動

  • 背景工夫:奥行きを出すために斜めから撮影

  • セリフ範囲:和田と女性の掛け合い

📍カット12:採点シーン

  • ショット:審査員寄り

  • 動き:固定

  • 背景工夫:審査員の背後に小道具配置

  • セリフ範囲:和田がボロボロになるまで

【結果発表&エンディング】

📍**カット13:結果発表】

  • ショット:司会者中心の広め

  • 動き:固定

  • 背景工夫:壁際で奥行きと空間を出す

  • セリフ範囲:優勝者発表と和田の罰ゲーム

📍カット14:罰ゲーム&エンディング

  • ショット:和田と女性のジャンケン~ビンタまで長回し

  • 動き:ジンバルでゆるやかに移動

  • 背景工夫:壁際を活用

🎯 合計カット数と所要時間

  • カット数:14カット

  • 所要時間の目安:7~7.5時間(予備時間あり)

  • 長回しを活用し効率化

  • ジンバルと固定で変化をつける


 
 
 

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