むかしむかしのそのまた昔
大和国のはずれに
おじいさんとおばあさんが住んでいました
二人の間には子供がありましたが幼い頃に亡くなっていました
あるときおじいさんが山に行くと川を籠が流れてきます
その籠の中には小さな赤ん坊と桃が入っていました
赤子の顔には青いアザがありました
おじいさんは籠を持ち帰り赤子をおばあさんに見せます
おじいさんとおばあさんは神からの授かり物だと喜んでその赤子を二人で育てることにしました
桃と共に籠に入っていた男の子の赤子は桃太郎と名付けられました
桃太郎はすくすくと育ちます
ある日、遠い島にある鬼が島にいる鬼を退治すれば報奨金をだすとおふれが出ました
飢饉で苦しんでいるおじいさんとおばあさんを助けようと桃太郎はさっそく出かけます
おじいさんとおばあさんはかつて亡くなった息子が成人したら着せようと大事にしまっていた晴れ着を着せ、苦しい家計をやりくりして団子を持たせてやります
道中の宿場町でイヌと呼ばれ、犬のように扱われている売女を見かねた桃太郎は乱暴者をこらしめます
桃太郎は犬に団子を食べさせてやるとイヌは桃太郎に付き従います
桃太郎の力を間近で見ていた烏帽子をつけたキジのような背の高い男が桃太郎に旅の目的をたずねます
鬼ヶ島に行くと桃太郎がこたえるとキジも桃太郎に同行します
途中で鬼ヶ島への詳しい行き方を知っているという猿のような翁も団子と引き換えにして桃太郎を鬼ヶ島まで道案内します
鬼ヶ島にやってくると固く閉ざした門の上から見張りが桃太郎を見ます
桃太郎の顔のアザを見た見張りは門を開けて桃太郎を鬼ヶ島の中へと通します
桃太郎は鬼ヶ島の人々から歓待を受け、鬼ヶ島の長から出生の秘密をききます
その鬼ヶ島では長に息子が生まれたが顔にアザがあり神に忌み嫌われているというお告げがあったため殺すべきと決定されたが母親がこっそりと鬼ヶ島から逃し、本土の山に祈祷をして祓い、籠に入れて川に流したということでした
その際に子どもの息災を願って桃の身を籠に入れたとのことでした
桃太郎は鬼ヶ島の長の跡取りとしての自分の出自に驚きます
鬼ヶ島は大和国との戦で敗れた人々の安住の地でした
疲れた桃太郎が休もうとするとキジの姿が見当たりません
キジはいつにまにか本土から兵を引き連れてきていました
固く閉ざされていた門が桃太郎によって開き、くわしい場所がわかったいま大和国が鬼ヶ島を滅ぼそうとやってきます
桃太郎は鬼ヶ島の人々と決死の覚悟で戦います
イヌは桃太郎を庇って死にます
サルはキジを道連れにして死にます
戦の中で鬼ヶ島の長も亡くなり桃太郎は最後まで抵抗をします
鬼ヶ島は火に包まれて大混乱になります
その後の桃太郎を知るものはだれもいません
おじいさんとおばあさんはいつまでもいつまでも桃太郎の帰りを待ち続けました
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