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執筆者の写真昌俊 和田

オリジナル脚本『嘘の約束』

更新日:7月24日

ウソの約束


「突然呼び出すんだもん、ビックリしちゃった。今日はどこ行こっか?」

「・・・」

「どうしたの?なんかあった?」

「ゴメン」

「えっ?」

「別れよう」

「なんできゅうに?」

「いや、やっぱりこういう関係はよくないなって思ってさ」

「ぼくが男だから?」

「そういうわけじゃないよ」

「・・・」

「・・・」

 リングのほうをチラッと見ながら

「奥さん、戻ってきたんだね」

「いまさらやりなおしたいってさ、女って勝手だよな」

「男も勝手だよ」

「ゴメン」

「あれ?謝ったのって初めてじゃない?」

「そうだっけ?」

「そうだよ。2年間で謝ったのは今日が初めて」

 少しだけ共に笑う二人、だがすぐに暗いムードに戻る

「もう、会えないんだね」

「ゴメン」

「平気。じつはぼくも別れようって思ってたから」

「えっ?そうなの?」

「うん、昨日元カノから連絡きた。日本に帰ってくるんだって」

「よかったじゃん」

「いまさらやりなおしたいってさ、女って勝手だよな」

「男も勝手だよ」

「ゴメン」

 また少しだけ笑う二人

「じゃあもう行くわ、彼女と幸せにな」

「待ってよ、最後に一枚だけでいいから二人の写真撮らない?」

「・・・ゴメン」

 表情を見て察しがつく

「そっか。全部消しちゃったのか」

「じゃあな。彼女のこと大切にしろよ」

「うん。今までありがとう」

 立ち去る



【日本はG7で唯一、同性婚を法的に認めていない】


【日本国憲法ではすべての国民は平等である】



 後ろ姿を見ながら呟く

「ウソだってわかってるくせに、ズルイよ・・・バーカ」



『嘘の約束』という作品について


「気がついているのに、ズルい」がテーマです


日本では同性婚を禁止してはいませんが、正式に認めているわけでもありません


国際社会の流れからしても、憲法で禁止されていないことから、日本もグローバル化するのが時代の自然な流れに思われますが、認めていません


気がついているはずなのに、わざとはぐらかしている態度をとっているように思います


日本でもすべての人に結婚の自由が約束されることを願ってこの脚本をかきました


参考URL


無断転載・無断使用禁止


 


この脚本を使用する場合、必ずご一報ください


 


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短編映画『嘘の約束』 劇団ぎょう座【第17作】(字幕入り)


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