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執筆者の写真昌俊 和田

オリジナル脚本『穴の中』

更新日:4月25日

『穴の中』という作品について


親密な性生活をどうやって形成するか?というテーマです


日本人は世界中の他の国の人々よりも性生活への期待値が低く、「性生活よりも食事の方が幸福感を感じられる」と考えている人が多いです


性生活に満足している人はわずか四人に一人だけ、これは世界でも最低レベルです


それなのに性生活の悩みを相手に相談したことがある人は五人に一人だけです


日本人は不満を抱えながら一人で悩むという特徴があります


タイトルの『穴の中』はそんな絶望的な暗い状況に陥っている様子を表現しています


日本人がもっと性生活に満足して幸福感が高まることを願ってこの脚本を書きました


『穴の中』


第ニ稿


作・和田昌俊



山崎真人(ヤマザキマコト)

アヤカの恋人。アヤカと同棲中。キレイ好きでお風呂にしょっちゅう入っている。仕事は営業。性生活に不満を持っている



森田彩華(モリタアヤカ)

マコトの恋人。マコトと同棲中。少しズボラな性格。性生活に不満を持っている




※本作において身体的接触があります(イチャつく・抱き合う)。セリフにセクシュアルな表現が若干あります。肌の露出が少しあります(肩・腋の下)。暴力的表現はありません。喫煙・飲酒シーンはありません




【シーン1  夜 同棲中の部屋】


アヤカ「どこいくの?」

マコト「いや、シャワー浴びてくる」

アヤカ「終わったらすぐシャワー浴びるんだね」

マコト「汗くさいのイヤなんだよ、俺キレイ好きだし」

アヤカ「ねえ」

マコト「なんだよ?」

アヤカ「浮気してる?」

マコト「なに言い出すんだよきゅうに」

アヤカ「なんか、あんまり満足してそうにないから」

マコト「いや満足してるよ」

アヤカ「ほんと?」

マコト「うん」

アヤカ「ならいいんだけどさ」

腕を上げて伸びをするアヤカ。マコトがじっとそれを見る

寝返りをうって背中を向けるアヤカ

マコト「おまえこそ、浮気してるんじゃないの?」

アヤカ「えっ?」

マコト「おれがうちに帰ってきた時は抱きついてくるくせに、ベッドではあんまり抱きつかないじゃん」

アヤカ「そうだっけ?」

マコト「そうだよ」

アヤカ「べつに浮気なんかしてないよ」

マコト「ほんとかよ?」

アヤカ「うん」

しばらくの沈黙

マコト「とりあえずシャワー浴びてくる」

マコトが立ち上がって去っていく

マコトが去った後、アヤカはマコトの枕に顔を近づける


【シーン2 翌日 夜 同棲中の部屋 玄関】


マコト「ただいま」

アヤカ「おかえり」

嬉しそうなアヤカ

疲れた様子のマコト

アヤカ「ねえ、ご飯の前にさ、ベッド行かない?」

マコト「いや、悪いけどおれ疲れてんだよね。今日暑かったしいっぱい歩いたから」

アヤカ「そうなんだ・・・」

残念そうなアヤカ


【シーン3  夜 同棲中の部屋】


アヤカ「ねえ、疲れてるならマッサージしてあげようか?」

マコト「いや、いい」

アヤカ「気持ちよくしてあげる」

マコト「いや、いい」

アヤカ「わたしに任せてくれればいいから」

マコト「いや、いい」

しばらくの沈黙

アヤカ「ねえ、やっぱり浮気してる?」

マコト「だから違うって」

アヤカ「なにか隠してるでしょ」

マコト「いや、べつに」

アヤカ「じゃあなんでスマホに女の子の写真がいっぱいあるの?」

マコト「見たのかよ」

アヤカ「お風呂長いんだもん」

マコト「あれはみんな芸能人とかアイドルとかの写真だよ」

アヤカ「わかってる。浮気してないのはわかってるんだけどさ。私じゃ不満なんだなって思って・・・」

マコト「いや、そういうわけじゃなくてさ」

アヤカ「ゴメンね、私がブサイクだし、付き合いたての頃より太っちゃったからだよね」

泣き出すアヤカ

アヤカ「がんばって痩せそうと努力してるんだけど、餃子が大好きだからついつい食べすぎちゃって」

マコト「いや、だからそうじゃないんだって」

アヤカ「じゃあなに?」

言いにくそうにマコトが口をひらく

マコト「おれじつは腋フェチなんだ。女の人の腋が大好きなんだ」

アヤカ「えっ?腋?腋の下?」

マコト「そう。幻滅した?そうだよね。変態みたいだよね。でも、おれ女の人の腋の下が大好きなんだ」

アヤカ「そっか、だからどの写真も同じポーズしてたんだ」

マコト「そうそう。芸能人やアイドルが両手を上に上げてる写真を集めてるんだ」

アヤカ「腋の下のなにがいいの?」

マコト「いや、なんかこう普段は閉じている秘密の扉が時折開くありがたさ、みたいな」

アヤカ「意味がわかんない」

マコト「腋の下を見て、触って匂いを嗅いで舐めてみたい」

 無言で見つめ合う二人

マコト「やっぱり変態だよね。ほらだから言い出せなかったんだよ」

 ふてくされるマコト

 アヤカは決心して言う

アヤカ「私、じつは匂いフェチなの。それも汗くさい匂いが大好き」

マコト「えっ?そうなの?」

アヤカ「うん。それなのに、あなたからはいつも石鹸と香水のいい匂いばっかり」

マコト「いや、身だしなみっていうか。清潔感大事だと思って」

アヤカ「私、好きな人の匂いってずっと嗅いでたいんだよね」

マコト「ごめんよ、おれキレイ好きだったからさ。これからはお風呂に入るの1週間に一回にするよ」

アヤカ「いや、そこは二日に一回にして」

マコト「わかった」

 笑い合う二人

マコト「明日は帰ったらすぐにベッドに行くよ」

アヤカ「私は腋の下の毛を処理しておくね」


【シーン4  翌日 夜 同棲中の部屋】


マコト「ああ、この一本も毛がないツルツルした綺麗な丘に走る稲妻のような皺、最高の脇だよ」

 マコトがアヤカの腋の下を見つめながら言う

アヤカ「ああ、この汗と埃が混ざった酸味を帯びた油っぽい刺激的な匂い、最高」

 アヤカがマコトの匂いを嗅ぎながら言う

マコト「すごく興奮する」

アヤカ「私もすごく興奮する」

マコト「もっと早く言えばよかった」

アヤカ「ね、恥ずかしかったけど言ってよかった」

マコト「今夜は朝まで寝かさないから」

アヤカ「うん、いっぱい汗かいてね」



【日本の性生活満足度は24%】


【セックスの悩みを相手に相談した経験がある人は18.6%】


【日本人は一人で不満を抱え込んでいる】




参考URL





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