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  • 執筆者の写真昌俊 和田

オリジナル脚本『ギョウザの騎士』

更新日:1 日前

ラーユ姫

最高の餃子の作り方を知る唯一の人物。代々一子相伝で伝わるその餃子の味は全宇宙に平和をもたらすと信じられている

 

ターコ・ベイダー

タコヤキ帝国の皇帝であるターコ・シディアスの側近。じつはマーサ・スカイウォーカーの生き別れた兄弟

 

ターコ・シディアス

タコヤキ帝国の皇帝であり、餃子を憎んでいる。全宇宙から餃子の存在を消し去りタコヤキを広めようとしている

 

マーサ・スカイウォーカー

全宇宙の平和を願うギョウザの騎士。強力なボーズの持ち主であり最強の騎士

 

ハル・マキ

借金まみれの密輸業者。宇宙最速の宇宙船の船長。タコヤキ星へマーサを連れていく

 

ストッキング・トルーパー

タコヤキ帝国の兵士。見た目はストッキングを被ったターコ・ベイダー卿にそっくり。タコヤキ星のアナウンスもしている

 

 

※本作において身体的接触少しだけあります(抱き合う。頬に触れる。腕に捕まるなど)。セリフにセクシュアルな表現ありません。肌の露出はありません。暴力的表現が若干あります(ビンタ)。喫煙・飲酒シーンはありません。アクションシーンがあります(格闘。銃撃戦。剣戟)。死亡するお芝居があります。

 

 

遠い昔 はるか彼方の銀河系の片隅で

 

餃子を憎悪するタコヤキ帝国の魔の手は全宇宙の支配まであと少しとなった

 

わずかに残された反乱軍の希望は最高の餃子の作り方を知るラーユ姫のみ

 

しかしラーユ姫はタコヤキ帝国のターコ・ベイダー卿にとらわれてしまう

 

宇宙の平和を願う劇団ぎょう座はラーユ姫救出のため、最強のギョウザの騎士マーサ・スカイウォーカーの派遣を決定する

 

マーサ・スカイウォーカーは密輸業者のハル・マキと共にラーユ姫の監禁されているタコヤキ星に向かっていた

 

 

 

宇宙空間に並ぶ文字の上を画面手前から奥に向かって宇宙船バリカン号が飛行する

後ろから帝国軍の戦闘機がバリカン号を追跡しながら赤いレーザーを撃ち込んでくる

 

 

【バリカン号の船内】

操縦席に座っているマーサ・スカイウォーカーとハル・マキ

 

ハル「まだ追ってくる」

マーサ「しつこいやつらだ」

 

突然鳴り出す警報と赤ランプ

 

マーサ「これは?」

ハル「燃料切れ」

 

そう言うとスイッチを操作して警報を切るハル

 

マーサ「タコヤキ星はまだか?」

ハル「もうすぐだってば。私を信じて」

操縦席の窓越しに帝国軍の戦闘機が見える

 

マーサ「宇宙で一番速い船って言ってなかった?」

 

あちこちのスイッチを押しながらハルがこたえる

 

ハル「修理すれば、ね。今は宇宙で2番目に速い船」

 

操縦席の窓越しに2機の帝国軍の戦闘機が前方に回り込むのが見える

 

ハル「やっぱり、3番目かな」

 

帝国軍の戦闘機に撃ち込まれて被弾するバリカン号

操縦席に火花が散る

 

ハル「捕まって!」

 

とっさに手すりに捕まるマーサ。しかし手すりがすぐにポロッと取れてしまう

宇宙空間で空中戦を繰り広げるバリカン号と帝国軍の戦闘機

 

ハル「見えた!タコヤキ星」

 

操縦席の窓越しにタコヤキ星が見える

 

マーサ「着陸できるか?」

ハル「不時着ならね」

マーサ「イヤな予感がする」

 

タコヤキ星からさらに帝国軍の戦闘機がバリカン号に向かってくる

 

ハル「やっぱり墜落かも」

 

宇宙空間で空中戦を繰り広げるバリカン号

何機か撃墜するバリカン号

被弾しながら煙を上げてタコヤキ星に落ちていくバリカン号

 

ハル「捕まって!」

捕まるところを探すがなにも見つからないマーサはとっさにハルに抱きついて捕まる

煙を上げながらタコヤキ星に落ちていくバリカン号

 

 

【タコヤキ星 ターコ・シディアスの宮殿 皇帝の間】

 

 

ターコ・ベイダーとターコ・シディアスが二人で窓の外を見ている

ラーユ姫が奥にいる

 

ベイダー「撃墜しました。おそらく生きてはいないでしょう」

シディアス「ギョウザの騎士を甘く見てはいけない」

ベイダー「しかし、生きているとは思えません」

 

 突然ビンタするターコ・シディアス

 

ベイダー「・・・では墜落地点へストッキングトルーパーを差し向けます」

シディアス「それが正しい判断だ」

 

 奥にいるラーユ姫を見るシディアス

 

シディアス「お前の前にギョウザの騎士の首を持ってきてやる。楽しみにしていろ」

ラーユ姫「餃子は全宇宙の人々にとって大切なもの。タコヤキなんかに負けない」

シディアス「お前はそこで全宇宙が餃子の存在を忘れ、タコヤキに夢中になるのを見届けるのだ」

 

 

【タコヤキ星 墜落現場】

 

 

損傷したバリカン号のそばにいるマーサ・スカイウォーカーとハル・マキ

 

マーサ「船、残念だったな」

ハル「大丈夫、また修理すれば飛べるよ」

 

 バリカン号の損傷具合を調べながら言うハル

 

ハル「それにしても一体どうやって衝撃を和らげたの?墜落の瞬間に一瞬フワッと機体が浮いたけど」

マーサ「ボーズの力だ」

ハル「フォース?」

マーサ「いや、ボーズ」

ハル「?」

マーサ「ボーズと共にあらんことを」

ハル「なんだあれ?」

 

突然襲ってくるストッキングトルーパー率いるドローン集団

 

マーサ「ふせろ!」

 

銃撃戦になるマーサとハルとストッキングトルーパー率いるドローン集団

撃ち落としても次々に現れるドローン集団

ハル「こいつらキリがない」

マーサ「どこかにコントロールしているやつがいるはずだ。そいつを倒さないと」

 

 ドローンのレーザーがハルに命中しそうになる

 とっさにハルに飛びついてレーザーをかわすマーサ

 

マーサ「大丈夫か?」

ハル「う、うん」

 

 マーサの腕の中にいることに気づきドキッとするハル

 

マーサ「行くぞ」

 

 マーサの手に捕まり立ち上がるハル

 銃で応戦しながら遮蔽物に隠れるマーサとハル

 

マーサ「ハル、おまえは船を修理して宮殿までラーユ姫とおれを迎えに来てくれ」

ハル「マーサはどうするの?」

マーサ「おれはこいつらをコントロールしているやつを倒したら、そのまま宮殿まで向かう」

ハル「でもこんなにドローンに囲まれてるのに」

マーサ「大丈夫だ。ボーズの力を信じろ」

ハル「船を修理したら、私そのまま逃げちゃうかも」

マーサ「信じてる。ここまで連れてきてくれてありがとう」

 

 見つめ合うマーサとハル

 ハルが何か言おうとするがマーサは遮蔽物から飛び出していく

 ドローンの集団の前に立ち塞がるマーサ

 一斉にドローンがマーサ目掛けて照準のレーザーを合わせる

 マトリックスのような動きでレーザーをかわすマーサ

 そのままドローンのレーザーを潜り抜けながら進んでいくと奥にストッキングトルーパーがいる

 格闘戦になるマーサとストッキングトルーパー

 ストッキングトルーパーを倒すと一斉にドローンが自爆する

 マーサはストッキングトルーパーが乗ってきたらしいバイクに乗り込むと、ドローンの自爆攻撃を避けながら宮殿に向かう

 

 

【ターコ・シディアスの宮殿 皇帝の間】

 

 

シディアス「やつがここにくる」

ベイダー「わかるんですか?」

シディアス「強烈な餃子の匂いと、強力なボーズの力を感じる」

ラーユ姫「逃げるなら今のうちなんじゃない?」

シディアス「だまれ。アツアツのタコヤキを口に突っ込むぞ」

ベイダー「マスター、マーサ・スカイウォーカーは私にお任せください」

シディアス「わかっているだろうな?ターコ・ベイダー卿。やつを味方に引き入れるのだ」

ベイダー「もしも断ったら?」

シディアス「断りきれない条件を出すんだ」

ベイダー「はい、必ずご期待に応えます」

 

皇帝の間のドアが開くと同時にタコヤキ帝国の護衛兵士たちが吹っ飛ばされてなだれ込んでくる

 倒れた兵士たちの奥からマーサ・スカイウォーカーが歩いてくる

 足元に転がる兵士たちを手で操り左右の壁に弾き飛ばしながら皇帝の間へと入ってくるマーサ

 マーサはサングラスをとって皇帝の間の奥に捕えられているラーユ姫を見る

 

ラーユ姫「マーサ・スカイウォーカー!」

 

 思わず駆け寄ろうとするラーユ姫にライトニングを浴びせてビリビリ痺れさせるターコ・シディアス

 

マーサ「ラーユ姫!」

 

 しばらく目と目が合い、何かをお互いに感じ合う二人

 

ベイダー「久しぶりだね、兄さん」

 

 サングラスを外すターコ・ベイダー

 

マーサ「ヨースケ?!生きてたのか?!」

シディアス「生き別れた兄弟の感動の再会だ」

マーサ「ヨースケ、どうして?ギョウザの騎士だったじゃないか!選ばれし者だったのに!」

ベイダー「もう餃子は飽きたんだよ」

 

 ラーユ姫の方を見た後、ゆっくり振り返りながらマーサに近づいていくターコ・ベイダー(ヨースケ)

 

ベイダー「これからはタコヤキの時代さ」

マーサ「おまえ、暗黒面に墜ちたな」

ベイダー「ターコ・シディアスさまにタコヤキの素晴らしさを教えてもらったんだ」

マーサ「ラーユ姫を解放しろ。おれと一緒にタコヤキ帝国を倒すんだ」

ベイダー「兄さんこそ、ぼくと一緒にタコヤキを全宇宙に広めようよ。ぼくと兄さんが手を組めば全宇宙を支配できる」

マーサ「断ったら?」

 ライトセーバーを握るターコ・ベイダー

 それを見て覚悟を決めるマーサ

 

マーサ「やるしかないのか」

ラーユ姫「やめて!」

 

 ラーユ姫の叫びもむなしくライトセーバーで激しく斬り合うマーサとターコ・ベイダー

 それを見ながらほくそ笑むターコ・シディアス

 ターコ・シディアスに駆け寄るラーユ姫

 

ラーユ姫「やめさせて。こんなこと意味ないでしょ」

シディアス「どちらが生き残っても、肉親を失った悲しみから強大な暗黒面の力に取り込まれる。もう後戻りはできない」

ラーユ姫「もしかして、私を生かしたままここに監禁したのは・・・」

シディアス「そう、すべてはマーサ・スカイウォーカーをここに呼び寄せるため」

ラーユ姫「そんな・・・」

シディアス「これでタコヤキ帝国の支配は完全なものになる。二人の戦いが終わった時、最強のギョウザの騎士はもういない。どちらが生き残っても暗黒面に取り込まれることになる」

 

 絶望感に包まれるラーユ姫

 

シディアス「どのみちマーサ・スカイウォーカーはこの星から出られない。見ろ、仲間の船はもうすぐ落ちる」

 

 皇帝の間の窓からラーユ姫が見ると、ハル・マキの宇宙船が宮殿の対空砲で攻撃を受けている様子が見える

 

シディアス「所詮はカネがすべての密輸業者だ。自分の命を危険に晒してまでマーサ・スカイウォーカーを助けになんかこない」

ラーユ姫「すべてお見通しだったの?」

 

 ニヤつくターコ・シディアス

 マーサ・スカイウォーカーとターコ・ベイダーがライトセーバーでさらに激しく斬り合う

 勝負は互角だったがマーサのボーズから発せられる目眩し光線で一瞬目が眩んだ隙にライトセーバーを叩き落とされるターコ・ベイダー

 マーサはターコ・ベイダーに向かってライトセーバーを突き刺そうとする

 ラーユ姫が叫ぶ

 

ラーユ姫「ダメ!」

シディアス「さあ、やるんだ」

 

 マーサがライトセーバーを突き刺した瞬間表情が驚きに変わる

 マーサの前に立つラーユ姫の身体をライトセーバーが貫いている

 そのままマーサのところに倒れ込むラーユ姫

 抱き抱えるマーサの腕の中でラーユ姫は横たわる

 

マーサ「なんで?」

ラーユ姫「あなたに暗黒面に堕ちてほしくなかった」

 

 我を忘れたことを悔いるマーサ

 

マーサ「すまない」

ラーユ姫「これを反乱軍に届けて」

 

 マーサにウサギ型のキッチンタイマーを渡すラーユ姫

 

マーサ「これは?」

ラーユ姫「最高の餃子の作り方が入ってる」

 

 少しだけターコ・ベイダーの方を見た後、マーサを見つめるラーユ姫

 

ラーユ姫「ゴメンね。私のせいで兄弟で争うことになっちゃって」

 

 ラーユ姫の手がマーサの頬に触れる

 

ラーユ姫「愛してる」

マーサ「知ってたさ」

 

 ラーユ姫の手がマーサの頬から落ちる

 ラーユ姫を抱きしめるマーサ

 

シディアス「さあ、トドメを刺すんだ」

 

 ぼうぜんと眺めていたターコ・ベイダーがターコ・シディアスのほうを振り返る

 

シディアス「どうした?深い悲しみに絶望している今がチャンスだぞ」

 

 ラーユ姫をそっと横たえたマーサは立ち上がってターコ・ベイダーを見つめる

 マーサの首元に、拾ったライトセーバーを突きつけるターコ・ベイダー

 マーサはライトセーバーをしまうと戦う気配を見せず、そっと話しかける

 

マーサ「思い出すんだヨースケ。一緒に餃子を食べたあの日々を」

 

 ターコ・ベイダーの目に迷いが浮かぶ

 

マーサ「おまえの愛した人はもうこの世にいない。おれたちが争う必要はもうないんだ」

 

 ターコ・ベイダーは動揺する

 

マーサ「一緒にラーユ姫の最後の願いを叶えよう」

 

 マーサの言葉を受け入れるかのように構えていたライトセーバーを下ろすターコ・ベイダー

 

シディアス「だまれ。おまえもタコヤキにしてやる」

 

 ターコ・シディアスが両手からライトニングを放ちマーサを痺れさせる

 

マーサ「ぐああ」

 

 白目を剥いてビリビリ震えるマーサ

 

マーサ「思い出すんだ。一緒に餃子を食べたあの日々を」

シディアス「さっさとタコヤキになりなさい」

 

 ビリビリ痺れるマーサの頭から煙が上がり、少しずつタコヤキのような色になっていく

 

シディアス「なにも考えられないタコヤキにしてやる」

 

 マーサの頭にソースと青のりと鰹節がふりかかる

 

ベイダー「やめるんだ」

 

 ターコ・ベイダーがライトセーバーでターコ・シディアスの放つライトニングを一刀両断する

 

シディアス「裏切るのか。必ず後悔させてやる」

 

 一瞬怯んだターコ・シディアスが怒りに任せてさらに強力なライトニングをターコ・ベイダーとマーサに放つ

 白目を剥いて痺れるターコ・ベイダーとマーサ

 しかし、二人にライトニングが分散したことで少しだけ痺れる威力が弱まったことに気づくマーサがターコ・ベイダーに呼びかける

 

マーサ「ヨースケ」

ベイダー「兄さん」

 

 痺れながらもライトセーバーを握ったままだったターコ・ベイダーがターコ・シディアスに向けてライトセーバーの切先を向ける

 その腕をつかみ横から支えるマーサ

マーサの力に支えられながらマーサとターコ・ベイダーは一歩ずつターコ・シディアスに近づいていく

 

シディアス「そんな!ありえない!」

 

 驚くターコ・シディアス

 少しずつ距離が縮まっていき、ついにマーサに腕を支えられたターコ・ベイダーがターコ・シディアスの胸にライトセーバーを突き刺す

 

シディアス「ああああ!」

断末魔の叫びを上げて倒れるターコ・シディアス

痺れから解放されたマーサとターコ・ベイダーは抱き合う

 

ベイダー「兄さん、ごめん。おれ、どうしても兄さんを許せなくてタコヤキ帝国に入ったんだ」

マーサ「もういいんだ、ヨースケ。もう終わったんだ」

 

 それをきいたターコ・ベイダーはマーサから離れると真剣な表情になる

 

ベイダー「いや、まだ終わってない。タコ・スターが完成したんだ」

マーサ「タコ・スター?」

ベイダー「どんな星もタコヤキに変えてしまう、おそろしい兵器だ」

 

 突然皇帝の間にバリカン号が突っ込んでくる

 おどろくマーサとターコ・ベイダー

 操縦席からハルが飛び出してくるとターコ・ベイダーを見つけ、

とっさに銃を向ける

 

マーサ「待て待て、もう大丈夫だ」

 

 マーサの制止に怪訝な顔をするハル

 

ハル「助けにきたのにお邪魔だった?」

ベイダー「兄さんこの人は?」

マーサ「密輸業者のハル・マキだ」

ベイダー「あっ、弟のターコ・ベイダーです」

ハル「一体どうなってんの?弟?」

 

 困惑するハル

 突然鳴り響く警告アナウンス

 

ストッキング「自爆装置が作動しました。今すぐ避難してください。自爆装置が作動しました」

ベイダー「皇帝の命が尽きると自動で星ごと爆発するんだ」

ハル「とりあえず逃げよう」

 

 操縦席へ走っていくハル

 

ベイダー「兄さん、タコ・スターを破壊してくれ。あれはもう動き出してしまった。停止できるのは皇帝だけだったけど、もういない。タコ・スターがある限り、タコヤキ帝国は無敵だ。皇帝の座を継ぐものが現れてしまう」

マーサ「大丈夫だ。二人でタコ・スターを破壊しよう」

 

 爆発音が響き床がグラつく

 

ベイダー「行ってくれ、兄さん。皇帝がいないからドローンが暴走してる。無事に脱出できるようにおれが時間を稼ぐ」

マーサ「おまえも一緒にくるんだ」

ベイダー「誰かが迎撃システムをオフにしないと、だれも宇宙に飛び立てない」

マーサ「なら、おれも行く」

ベイダー「兄さんは反乱軍に届けなきゃいけないものがあるだろ?」

 

 バリカン号のそばに群がるドローンを撃ち落としながらハルが叫ぶ

 

ハル「早く乗って!」

 

 その様子を見てマーサは決心する

 

マーサ「また会おう!」

ベイダー「ボーズと共にあらんことを!」

マーサ「ボーズと共に!」

 

 走っていくマーサを見送るターコ・ベイダー

 横たわるラーユ姫を見つめると拳を握りしめて決意を固めるターコ・ベイダー

 音に気づいてターコ・ベイダーが振り返るとたくさんのドローンが皇帝の間になだれこんでくる

 ライトセーバーを構えて斬り込んでいくターコ・ベイダー

 崩壊していくビル群を縫うように飛び立つバリカン号

 

 

 

 

【バリカン号 船内】

 

操縦席に座っているマーサ・スカイウォーカーとハル・マキ

 

ハル「なんとか脱出できてよかった」

マーサ「ありがとう」

ハル「なにが?」

マーサ「命懸けで助けに来てくれた」

ハル「報酬をもらうまではあんたに死なれちゃ困るからね」

マーサ「すまない。ラーユ姫を助けられなかった。だから報酬はもらえない」

ハル「それ」

マーサ「ん?」

ハル「そのライトセーバーの使い方教えてくれればそれでいい」

マーサ「これはギョウザの騎士にしか教えられないんだ」

ハル「なら私、ギョウザの騎士になる」

マーサ「弟子は取らない主義なんだが」

ハル「次はどこに向かえばいいの?」

マーサ「一番近い反乱軍の基地まで」

ハル「はい、マスター」

 

 バリカン号が宇宙空間を飛び立っていく

 

 

END

 

 

 

無断転載・無断使用禁止

 

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