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執筆者の写真昌俊 和田

オリジナル脚本『いつものラーメン』第ニ稿

更新日:7月24日

『いつものラーメン』について

愛の前に友情は簡単に崩れるということを描いています。ですが、本当に仲が良ければまた修復も早い

二人の男は友人ですが同じ人を好きになってしまいます。感性が似ているから気が合うわけで、だからこそ友情が育まれるのですが、それが恋となると厄介です

短い展開の中に破壊と再生が描かれているのがこの脚本の主軸です



『いつものラーメン』第ニ稿


作・和田昌俊


吉田 杏 女性 モテる。彼氏なし


小林 湊 男性 吉田が好き


加藤 蓮 男性 吉田が好き


※本作において身体的接触はありません。セリフにセクシュアルな表現はありません。肌の露出はありません。暴力的表現はありません。喫煙・飲酒シーンはありません



シーン1 公園のベンチ



小林と加藤が座っている


小林「おれさ」


加藤「なんだよ」


小林「やっぱり吉田さんに告ることにするよ」


加藤「そっか。吉田さんってあのこの前一緒に飲み会で隣に座ってた子だろ?あの子カワイイもんなあ」


小林「彼氏いるのかな?」


加藤「いや、彼氏はいないって言ってた」


小林「じゃあチャンスあるかな」


加藤「実はさ、おれも吉田さんのこといいなって思ってるんだよね」


小林「えっ」


加藤「いや、言い出しにくかったんだけどさ、おれも吉田さんに告ろうかなって思ってたんだ」


小林「俺たち、友達だよな」


加藤「ああ」


小林「抜け駆けは許さないぞ。告る時は前もっておれに言えよ」


加藤「わかってるって。抜け駆けしないよ。おれたちの友情は永遠だもんな」


加藤と小林は互いに笑っている



シーン2公園の外、道路



加藤が公園のそばを通りがかると、何かに気づいたように公園内を見る


加藤の目線の先には吉田と小林がいる


小林は吉田に何かをしゃべっている様子



シーン3 公園内



吉田に小林が話をしている


吉田「話ってなに?急に呼び出すからびっくりしたよ」


小林「いや、大事な話があってさ」


吉田「大事な話?」


小林「うん、あのさ、おれと付き合ってくれないか?」


吉田「えっ?」


小林「このまえ初めて見た時から吉田さんのこと忘れられなくて。その、好きです、付き合ってください」


吉田「えっえっと、その」


吉田が困っていると加藤の声がする


加藤「ちょっと待ったー!」



シーン4 公園内



驚いて振り返る吉田と小林


加藤が全速力で二人のもとに走ってくる


加藤「いま告ってた?ねえいまこいつ告ってた?」


吉田「えっ加藤くん?どうして?」


小林「わるい、加藤、おれどうしても吉田さんと付き合いたくて」


加藤「ちょっと待ったー!おれも、おれも、おれだって、吉田さんのことが好きだー!」


吉田「えっえっ、これなにドッキリかなにか?なんでこんな展開になるの?」


小林「おれと付き合ってください」


加藤「おれと付き合ってください」


吉田「いや、あの〜」


小林「おれ、英語がめっちゃ得意です」


加藤「おれ、キャベツの千切りが得意です」


小林「おれ、吉田さんを絶対幸せにしてみせます」


加藤「吉田さんと付き合ったらおれがめっちゃ幸せです」


吉田「ごめんなさい」


小林&加藤「えっ?」


吉田「わたし、じつは女の子が好きなの。付き合ってる人もいるし。だからごめんね。お友だちとして仲良くしてください」


小林も加藤もあっけにとられている


吉田「あっじゃあこのあとデートだからもう行くね。また遊ぼ」


立ち去る吉田


見送る小林と加藤


小林「なあ」


加藤「ん?」


小林「ラーメンでも食べるか」


加藤「そうだな、あそこ?」


小林「うん、あそこあそこ」




END


2040代未婚男女のうち

現在恋人がいない人の割合は70.3%


これまでに一度も交際経験がない20代

男性46%  女性29.8%


この数字は年々増加している


日本人は恋愛を経験しなくなっている







無断転載・無断使用禁止

 

この脚本・絵コンテを使用する場合、必ずご一報ください

 

ご連絡はTwitterのDMまたは「劇団ぎょう座」のメールまでどうぞ

和田昌俊 Twitter

劇団ぎょう座 メール


短編映画『いつものラーメン』 劇団ぎょう座【第18作】(字幕入り)


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