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執筆者の写真昌俊 和田

オリジナル脚本『蜜の罠』

「蜜の罠」


作・和田昌俊


アドリブっぽい感じで




ニーニ

国際的なスパイ。ナーナの部下。マーサの弱みを握るため、ハニートラップを仕掛ける


ナーナ

国際的なスパイ組織のボス。ニーニの上司。マーサの持つあるモノを手に入れるため、ニーニを使ってマーサの弱みを握ろうと画策する


アーヤ

ニーニの元カノ。ニーニと敵対する組織のスパイ。ニーニのことを愛してしまい、組織を裏切る。髪の毛が長い


マーサ

変態。弱味を握ろうとニーニがハニートラップを仕掛けるが、変態すぎてノーダメージ。金庫室にあるモノを隠している。美人に弱い。


【ナーナとニーニ】


ナーナ「ブツは手に入れたの?」

ニーニ「もちろん」

ナーナ「さすが国際的なスパイね」

ニーニ「これでいい?」

 マーサのブラジャー姿の写真

ナーナ「悪いけど、これじゃちょっと」

ニーニ「あっまちがえた、コッチコッチ」

 マーサの首輪と手錠の写真

ナーナ「悪いけど、アイツ筋金入りのド変態だから、これくらいじゃノーダメージなの」

ニーニ「今までで一番の標的ね」

ナーナ「今までで一番の変態よ」

 ナーナは考え込んで結論を出す

ナーナ「アイツの弱味を握るのは無理。こうなったらアイツの金庫室に入るしかない」

ニーニ「中になにが入ってるの?」

ナーナ「詳しくはわからないけど、童貞に関する恥ずかしい内容の映像データがあるみたい」

ニーニ「それは恥ずかしい」

ナーナ「入るには音声照合が必要なの。なんとかアイツにキーワードを喋らせて」

ニーニ「キーワードは?」

ナーナ「『ナカニダシテ』」

ニーニ「『ナカニダシテ』?」

ナーナ「それがアイツの金庫室に入る唯一の鍵なのよ」

ニーニ「・・・やってみる」


 【マーサとニーニ】


マーサ「こんな公園に呼び出してどうしたの?」

ニーニ「たまには外で過ごすのもいいかなぁって」

マーサ「なんでカメラで撮ってるの?」

カメラを指差すマーサ

ニーニ「撮られてると興奮するでしょ?」

マーサ「そうだね、興奮するよ」

 キスしようとするマーサ

 気持ち悪そうにして拒絶するニーニ

ニーニ「なんか吐きそう」

マーサ「えっ、大丈夫?」

ニーニ「どこに出したらいい?」

マーサ「えっ、いやわかんないけどトイレそこにあるけど」

ニーニ「いや、トイレまでもたない。ビニール袋ある?」

マーサ「あっ、あるよ、ほら」

ニーニ「この中に出していい?」

マーサ「うん」

ニーニ「中に出していい?」

マーサ「うん」

ニーニ「もう一度きくけど、中に出していい?」

マーサ「うん、いいよ。おれが持っててあげるから」

ニーニ「どこに出せばいい?」

マーサ「だからこの袋の中だよ」

ニーニ「この袋?」

マーサ「うん。この袋の中に出せばいいじゃん」

ニーニ「おしい」

 カメラを向いて言うニーニ

マーサ「なにが?」

ニーニ「いや、なんでもない」

マーサ「吐きそうなんじゃないの?」

ニーニ「吐きそう」

マーサ「だから、早くこの中に出して」

ニーニ「やった」

マーサ「なにが?」

ニーニ「これでキーワードを手に入れたわ」

マーサ「キーワード?」

ニーニ「なんでもないなんでもない」

 ニーニの顔アップで終わる


 ナーナのアップからはじまる


ナーナ「上出来よ。バッチリ録音したから」

マーサ「だれ?え?いつの間に座ったの?」

ニーニ「紹介するね。私の上司」

マーサ「あっ、お世話になってます、和田昌俊です。ってこれどういうことですか?」

ニーニ「ハニートラップ。あんたチョロすぎ」

マーサ「えっ?ハニートラップ?おれのこと好きって言ってたのに」

ニーニ「ウソに決まってんじゃん」

 落ち込む和田

ナーナ「これであの薬は私の物」

 ニヤニヤしてつい言ってしまうナーナ

ニーニ「え?薬?童貞に関する恥ずかしい内容の映像データじゃなかったの?」

ナーナ「騙してゴメンなさい。本当はある薬品が入ってるの」

ニーニ「薬品?」

ナーナ「そう、いわゆる惚れ薬。それがあればあなたを振り向かせられると思って」

ニーニ「もしかして」

ナーナ「好き」

ニーニ「私も好き」

ナーナ「本当?」

ニーニ「うん、初めて会ったときから好きだった。あなたにほめてほしくて、どんな任務も引き受けてきたの」

ナーナ「惚れ薬なんていらなかったね」

 肩に頭を乗せるニーニ

アーヤ「ちょっと待ったー」

マーサ「えっ?だれ?」

ニーニ「元カノ」

ナーナ「元カノ?」


 ニーニのアップで終わる


アーヤ「わたし、あなたのことが忘れられなくて、髪の毛が長いほうが好きっていうから、こんなに伸ばしたの。もう一度、私と付き合って」

ニーニ「ゴメン、わたし今付き合ってる人いるから。行こう」

ナーナ「うん」

 立ち去ろうとする二人

アーヤ「待ってよ。わたし、あなたのために組織を裏切ってここにきたの。行かせない。あなたもスパイならスパイのルールにのっとって戦いなさいよ」

ニーニ「望むところ」

アーヤ「せーのっ」

ニーニ「あっち向いてホイ」

アーヤ「負けたわ。さすがは国際的なスパイ。あっち向いてホイが最強」

 愕然とするアーヤのアップ


【マーサとアーヤ】



マーサ「フラれちゃったね」

アーヤ「そうですね」

マーサ「おれ、髪の長い女性好きだよ。餃子でも食べに行く?」

アーヤ「あっ、私、ハゲてる男には興味ないんで」

マーサ「あっ、そうなんだ」

アーヤ「じゃ」

マーサ「・・・女装アイドルってやつ、やってみようかな」



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